
笑顔のもたらすもの
~ 企画展「清里ものがたり」開催に際して ~
ポール・ラッシュ記念センターでは現在、収蔵している膨大な量の写真を整理して、スキャニングを掛け、デジタル化する作業を進めております。そして、それらたくさんの写真に触れるたびに感じることがありました。
それは、現代の生活は、物が豊かになり、貧富の差が縮まり、戦争もなく、表面的には幸せに見えるのですが、一方 戦前・戦後の貧しさの垣間見られる寒村の生活の中で、そこに写っている人々の表情の、何と生き生きとして、たくましい笑顔があふれているのだろうかと言うことでした。そこで、一年間にわたって開催する「素顔のポール・ラッシュ展」のオープニングのテーマは「笑顔」とすることに決めました。
混沌とした時代が続いています。大きな地震に対する不安。政治に対する不満。トンネルの屋根崩落事故による観光地への深刻な影響。先の見えない閉塞感が、大きくのしかかっているかのようにさえ思えてしまいます。
それでも、これらの写真に写っている人々の、困難を笑い飛ばす姿に、私たちは勇気をもらいます。「悩んでないで、前へ進め!」と、励まされているような気もします。
しめくくりに当たります今回の「清里ものがたり」の開催に際しまして、私どもの財団とご縁の深い、山梨県美術界の重鎮、山田耕三先生に、貴重な絵画をお借り致しまして展示させて頂くことが出来ました。絵画の素晴らしさもさることながら、あとがきとして添えられた文章こそが、私たちがこの企画展で発信したかった思いと合致していましたので、ご出展をお願いした次第です。
また、北杜市郷土美術館のご協力のもと、貴重なお写真を数多く遺された、故・植松波雄さまのお写真を、今回特別にお貸し出し頂きました。併せてお礼申し上げます。
これからの清里の未来を考えて行くうえで、私たちが大事にしなければならない事について、改めて思いを巡らすためのヒントが、きっと散りばめられていることと考えております。どうぞ、ご感想やご意見などをお寄せ下さい。
公益財団法人キープ協会
ポール・ラッシュ記念センター
館長 染谷 和則
会員登録がお済みのお方はログインをしてからコメントを投稿してください。